理事長挨拶
井藤久雄前理事長の後を受けて、2016年7月1日より本財団の理事長を務めております。
ご存知のように、鳥取県臓器・アイバンクは2013
さて、我が国の移植医療は多くの隘路を抱えながらも着実に進展しており、特に脳死下臓器提供は数こそ少ないものの、移植後の成績(生着率)は世界に冠たるもので、移植医療レベルの高さ誇っております。
臓器移植はドナーの存在を必要とする特殊な医療であり、国民の理解とともに検証を伴う社会システムの整備が必要であります。脳死下臓器提供症例は厚生労働省の臓器専門委員会および「脳死下での臓器提供事例に係わる検証会議」にて検証がすすめられています。2016年8月までに253例の検証作業を終えており、概ね妥当な臓器提供が実施されていることが報告されています。
臓器移植はドナーの存在を必要とする特殊な医療であり、国民の理解とともに検証を伴う社会システムの整備が必要であります。脳死下臓器提供症例は厚生労働省の臓器専門委員会および「脳死下での臓器提供事例に係わる検証会議」にて検証がすすめられています。2016年8月までに253例の検証作業を終えており、概ね妥当な臓器提供が実施されていることが報告されています。
2010年7月に改正臓器移植法が施行されて以降、例年10例前後であった脳死下臓器提供が2011年は44例と増加しており、その後も2012年と2013年は47例、2014年は50例、2015年は58例と、少しずつ着実に増加しています。そして、その多くはご家族が臓器提供を判断された事例です。提供を決めた理由としては、提供者本人の意思を忖度して「誰かの役に立ちたい」などの「社会貢献」が最も多いのです。国民の脳死に対する概念や臓器提供への考え方に変化が生じているのではないでしょうか。
鳥取県ではこれまでに、心臓停止下臓器提供と脳死下臓器提供とあわせて累計5件の臓器提供が実施されています。また、2016年3月末までに実施された献腎移植数は11例、生体腎移植数は78例、生体部分肝移植は2例に留まっており、臓器移植数は多いとは言えませんが、県民の臓器提供や移植医療に対する意識は着実に高まっております。
公益財団法人鳥取県臓器・アイバンクは県内外の各種団体と協力して、県民への移植医療に関する普及啓発活動や医療機関への支援などを通じて、臓器・眼球提供が円滑に実施されるよう移植医療の発展に寄与いたします。
ドナーの尊いご意思を尊重し、実現するためにも、本公益法人の目的・活動にご理解とご支援を賜り、ひいては移植医療の円滑な実施が推進されますよう、ご協力をお願い申し上げます。
公益財団法人鳥取県臓器・アイバンク
理事長 魚 谷 純